午睡の珈琲

写真から広がる現実と空想のぬるい日常

小さな怪談

 

幼児の頃の思い出。

近所に大きなお屋敷があった。

夜、家族で屋敷のそばを通りかかったところ、豚のような鳴き声が聴こえてきた。

「あの家の人達は顔だけ豚なんだって」と三歳上の姉がポツリと言う。

私は震えあがった。

後から聴いたところによると、あの鳴き声は屋敷の池に生息するウシガエルだったらしい。

姉の小さな作り話が、こうして大人になっても記憶に残っている。

 

写真は栃木県日光市の「明治の館」である。

冬枯れが良い雰囲気。